百段階段とは
百段階段(公式HP)とは通称で、かつての目黒雅叙園3号館にあたります。
1935(昭和10)年に建てられたホテル雅叙園東京(当時は目黒雅叙園)に現存する唯一の木造建築です。
食事を楽しみ、宴が行われた7つの豪華な部屋を約100段の長い階段と廊下が繋いでいます。
2001年に国の登録有形文化財、2009(平成21)年3月に東京都の有形文化財に指定されました。
百段階段の構造
百段階段は、細長い1棟の建物に7つの部屋があるように感じますが、実際は斜面に建てられた4棟の建物を階段や廊下でつないでいます。
階段下から趣向の異なる7つの部屋を「十畝の間→ 漁樵の間→ 草丘の間→ 静水の間→ 星光の間→ 清方の間→ 頂上の間」の順に見学します。
ペアチケットを購入して、入場しました。
十畝の間
まずは百段階段の7つの部屋の中で、一番格式の高い部屋「十畝(じっぽ)の間」です。
入口側の前室(控えの間)の天井は格式のある格天井造りです。
8枚の花の天井画(写真は4枚)は、金の金具と七宝焼の装飾が施されています。
本間も同じ格天井造りで、四季の花鳥画が15面(写真は9面)あります。
前室と本間の2つの部屋で、絵画のタッチが少し違います。
装飾は派手ながらも、黒漆が重厚な印象を与えています。
23面の天井画すべてが、画家 荒木十畝(あらき じっぽ)の作品です。画家の名前から、この部屋の名前が付けられています。
長押(なげし)には、豪華な螺鈿細工が施されています。
漆地に研いだ貝殻を文様に切って貼り、漆で塗りこめ、それを研いだり削ったりして仕上げる「黒漆研ぎ出し」という大変手の込んだ細工です。
部屋を囲む障子は、釘を使わずに木を幾何学的な文様に組み付ける伝統の組子障子です。
御手洗
十畝の間の前には、御手洗があります。
この御手洗は見学用で、実際に使用することはできません。
天井には金の扇絵が描かれていて、広すぎる御手洗でした。
和装のお客様も多かった時代。
衣類を整えるスペースが十分に取られていたのかもしれません。
2つ目の部屋「漁樵(ぎょしょう)の間」へ向かいます。
コメント