東京建築祭とは
「東京建築祭」は、東京のさまざまな建築を巡りながら、街の歴史や文化、人々の営みに触れられる都市型イベントです。2024年にスタートし、年々エリアを拡大。2026年は渋谷エリアも加わり、過去最多となる151件の建築が参加しています。
イベント期間中は、普段は入れない建物の内部公開をはじめ、建築資料の展示、ガイドツアー、各種イベントなども開催。建築にまつわる知られざるエピソードに触れられるのも魅力です。
建築好きの方はもちろん、専門知識がなくても気軽に楽しめる内容となっており、街歩きをしながら東京の新たな魅力を発見できます。
「東京建築祭 2026」は、2026年5月16日(土)から24日(日)まで開催され、特別公開は5月23日(土)・24日(日)の2日間で行われました。
特別公開は、通常は非公開となっている建築や空間を、期間限定で特別に公開する企画です。
普段から見学できる場所もありますが、こうしたイベントをきっかけに、以前から気になっていた場所を訪れる良い機会にもなり、通常とは異なる展示も楽しめます。

今回は特別公開中のカナダ大使館を訪れました。
カナダ大使館
カナダ大使館は普段から一般公開されていて、5人以下のグループなら事前申込不要&無料で見学することができます。今回の東京建築祭では「特別公開」として参加しており、エグゼクティブ・ダイニングルームなど通常は非公開となっている部屋を特別に公開しています。
入館時には、政府発行の写真付き身分証明書などを提示し、空港のような手荷物検査と金属探知機によるチェックを受けます。飲み物の持ち込みも可能ですが、必要に応じて「一口飲んでください」と安全確認を求められることがありました。

アクセス
東京メトロ 銀座線と半蔵門線、都営地下鉄 大江戸線の青山一丁目駅より徒歩5分の場所にあります。
スマートフォンで事前に参加登録をして、身分証明書を提示、セキュリティチェックを受けました。

カナダガーデン
カナダ大使館(通称:プラース・カナダ)の建物を囲む「カナダガーデン」は、カナダの雄大な自然をイメージして造られています。
砕ける波(ウェイブ・ブレーキング)
建物横にある長いエスカレーターを上がり、カナダ大使館の正面入り口まで来ました。
正面入口にあるモニュメント「砕ける波」は、カナダ東海岸の大西洋の岸壁に打ち寄せる荒々しい波を表現したもので、カナダへの旅の始まりを象徴しています。

写真左奥に少し見えている洋風建築が、カナダ大使公邸です。

カナダ・ガーデン
カナダガーデンは、日本の僧侶であり庭園デザイナーでもある枡野俊明氏によってデザインされました。
大西洋から前カンブリア紀の楯状地、北極圏、大平原、ロッキー山脈を経て太平洋へと至る、広大なカナダ大陸の風景を庭園で表現しています。


歩きながらカナダを横断するように、多彩な自然の魅力を感じられる空間となっているそうです。

イヌクシュク
大使館のために制作された「イヌクシュク」は、イヌイット語で「人間の化身」を意味します。
イヌイットの人々が航海や狩猟の目印、儀式などに用いてきたもので、カナダの先住民族文化を象徴する存在です。

ウェーブ
太平洋を象徴する池に浮かぶ彫刻は、太平洋の波を表現したものです。

大西洋から始まった庭園の風景は、島々を越えながら海を渡り、太平洋を越えて日本へとたどり着きます。

日本庭園
カナダの旅の終着点には、「コミュニケーション」をテーマにした禅庭園が広がっています。

石組や石畳、砂利によって構成された日本庭園で、4階の回廊を囲むように歩くことで、カナダから日本へとたどり着く演出になっています。
カナダと日本を結びつける象徴的な空間の先から大使館の内部へ入りました。

プラース・カナダ
1991年5月に開館した在日カナダ大使館(通称:プラース・カナダ)は、日系カナダ人建築家レイモンド・モリヤマ氏による設計の建物です。西洋文化と和文化を融合させ、「天・地・人」の調和を重視した空間づくりが特徴です。

エグゼクティブルーム・ダイニングルーム
今回は、通常非公開となっている「エグゼクティブ・ダイニングルーム」が特別公開されていました。
窓の外には、水庭と荒々しい波を表現した彫刻があり、東京の街並みを一望できる開放的なミーティングルームでした。


大使館ならではの特別な空間を見学できる貴重な機会となりました。
地下2階の一般公開エリアへ移動します。
高円宮記念ギャラリー
写真奥にある「高円宮記念ギャラリー」は、カナダ人作家の作品を紹介する展示空間です。
カナダの大学に留学され、日本とカナダの友好に尽力された高円宮殿下の功績をたたえ、その名が付けられています。


カナダの自然を象徴する動物や神々、人間をモチーフにした彫刻がたくさん展示されていました。シロクマは楽しそうに踊っていました。

オスカー・ピーターソン シアター
今回は、映画上映会や音楽ライブ、文化イベントなどに利用されている「オスカー・ピーターソン シアター」が特別公開されていました。
通常は一般公開されていない空間で、カナダ出身の世界的ジャズピアニスト、オスカー・ピーターソン氏にちなんで、その名が付けられています。

この空間は、野外のかがり火のもとで能や狂言を演じる伝統芸能「薪能(たきぎのう)」をイメージしてデザインされています。天井には星空を思わせる装飾が散りばめられ、照明も松明の炎のような温かみのある光を演出していました。

E.H.ノーマン図書館
E.H.ノーマンは、カナダの歴史学者であり外交官として日加友好に尽力した人物です。
この図書室には約15,000冊もの蔵書があり、カナダ留学に関する資料も揃っています。写真に写っているのは図書室のほんの一部で、館内はさらに奥へと続く広々とした空間です。

「赤毛のアン」のコーナーもあり、カナダの文化や文学を身近に感じることができます。

壁面ガラス彫刻(無題)
エスカレーターで下り、再び1階へ戻ってきました。
南玄関を彩るガラス彫刻は、技術と自然の共存、そしてそれらがカナダと日本の人々とどのように関わり合っていくのかを問いかける作品だそうです。

日本とカナダの国旗に挟まれるように飾られていたのは、花と花をモチーフにしたアート作品でした。

大使館受付ロビー
見学を終え、大使館の正面入口があるロビーへ戻ってきました。
日本とカナダの国旗が並び、その奥には「カナダ大使館」の名称が英語・日本語・フランス語の3か国語で記されています

ロビーには長いソファが置かれ、ゆったりとした空間が広がっています。
奥にはクロークがあり、カナダ大使館のマスコットキャラクターであるムース(ヘラジカ)が来館者を迎えていました。

正面玄関
正面玄関から退出しました。
現在の扉は、1933年の開設以来カナダ大使館庁舎で使われてきたドアを移築したものだそうです。

まとめ

空港のような手荷物検査や金属探知機によるセキュリティチェックを受けると、東京にいながらまるで出国したような気分になりました。

建築や庭園、アートを通してカナダの魅力を体感できる特別な見学でした。
カナダ大使館の概要は、公式のバーチャルツアーでも見ることができます。
カナダ大使館のバーチャルツアー(5分版)
東京建築祭2027 開催決定
今回参加してとても楽しめた東京建築祭ですが、早くも2027年の開催が決定しています。

開催期間は 2027年5月15日(土)~5月23日(日) の9日間。


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