2024年4月、大阪・奈良へ行って来ました。
大阪府立中之島図書館
大阪府立中之島図書館(公式HP)は、大阪府にある公共図書館です。
淀屋橋駅から徒歩5分ほどのところにあります。図書館の敷地内に駐車場や駐輪場はありません。
ギリシア神殿を思わせる印象的な建物の正面玄関上には右から左に「大阪図書館」と書かれています。
玄関横には左右に装飾が施された青銅製の電燈が置かれています。
アンティークなドアノブは、鴨のデザインでしょうか。
随所に施された装飾を見るだけで楽しいです。
大階段を上り、2階の入口に来ました。
図書館利用時やガイドツアーの参加時に荷物を預けたい場合、この入口のコインロッカーが利用できます。
図書館は3階建で、中央ホールの階段をあがると3階です。
ビジネス支援と大阪資料・古典籍に特化した公共の図書館です。館内を自由に見学したり、図書館を利用することが出来ます(利用案内)。
館内ガイドツアー
国の重要文化財に指定されているこの建物に関する説明を始め、図書館開館当時の歴史的な経緯や様子を館内を巡りながら行う約40分のガイドツアー(中之島図書館ガイドツアー)に参加しました。
総合案内
毎週土曜日に3回(1回目11:30~、2回目13:30~、3回目15:30~)行われ、2階にある総合案内で受付しています。
事前申込は不要(不可)で、各回30分前より先着順で10名まで受付しています。ガイド料はオリジナルグッズ付で500円です。
受付をして参加費を支払い、首からかけるガイドツアー証を受け取りました。
ツアー開始時間になり、館内ガイドさんと合流して、耳に装着するワイヤレスレシーバー(子機)を1人1台受け取りました。
大きな声を出せない図書館内で、ガイドさんと少し離れても解説が良く聞こえるので、とても便利でした。
正面玄関
住友家により建築・寄贈されたネオ・ルネサンス式の建物で、1904年に大阪府内初の公共図書館「大阪図書館」として開館しました。
1974年に国の重要文化財に指定されました。一般の図書館で重要文化財なのは、この図書館だけです。
屋上のドーム
雨漏りが発生していたため、2013年に修繕工事が行われ、同時に錆びた青銅色の屋根を建築直後の銅色へ戻す工事が行われました。
建築当初の色へ戻った銅色の屋根を見た府民から「見慣れた元の色に戻して欲しい」「青緑の方が良かった」と要望が多く寄せられ、わざわざ錆を促進させる薬品を使い、青銅色へ変化させたそうです。
休憩所
1階にある休憩所、ここは開館当時はクロークとして利用されていました。
当時の図書館は有料で、入場料は2銭でした。1銭であんぱんが1つ購入できた時代です。
荷物や靴を預けて、男女別々で利用し、12歳以上という年齢制限もありました。観光で建物を見学したいという方が多く、約1,000円相当もする特別チケットを購入した人もいたそうです。
明治時代に建てられたこの建物は、夏は暑く、冬は寒いのだそうです。
現在も夏のクーラーは昭和時代のものを使っており、冬は1日2回火を入れるボイラーで暖をとっています。
出窓を見ると、この建物の壁の厚みが分かります。外壁は花崗岩です。
エントランスホール
木の大階段が印象的なエントランスホールです。
荘厳な石造りの外観に対して、内部は国産の木材が多く使われ、重厚感がありつつも親しみやすい雰囲気があります。
ドーム部分は中央に円形窓のステンドグラスがあり、カバーがかかっていて見にくいのですが、奥に美しい模様があります。
ドーム下には階段正面上から右回りに「菅原道真、孔子、ソクラテス、アリストテレス、シェイクスピア、カント、ゲーテ、ダーウィン」世界中の天才8人の賢人(八哲)の名前が刻まれた銘板が埋め込まれています。見守ってくれる図書館にしたいという思いからこの八哲の名を刻んでいます。
記念室
会議室や貴賓室としても使われていた当時のままの部屋が残されています。
図書館内の多くの部屋は現在も現役で利用されていますが、この記念室は見学のみで利用はできません。
扇窓(ファンライト)
特徴的な扇形の窓は、正面玄関口上に当たる場所にあり、図書館のロゴデザインにも使用されています。
現在は締め切っていますが、設立当時は窓を開けることが出来たそうです。
明治・大正期の調度品が残っており、図書館設立時の面影が色濃く残されています。
記念館が新設された大正11年(1922年)当時の織物の糸を洗って編みなおし、修復した天井だそうです。
謎のスイッチ
壁に小さな謎のスイッチ「小」「會」「司」がありました。
これは簡単な仕組みの呼び鈴だそうで、ボタンを押すとつながった糸の先にある部屋のベルが鳴ってお知らせをします。「小」は小使い(こづかい)さん、「會」は会社関係の方の別室、「司」は司書さんの部屋に繋がっていたそうです。
館内ガイドツアーで見学する場所は個人でも自由に見て歩ける範囲です。
詳しい解説を聞いて、建物内を細かく知ることができました。
ガイドツアーに参加して楽しめました。
オリジナルグッズ
最後に会議室でアンケートを回答して、オリジナルグッズをいただきました。
このクリアファイルの模様は、図書館の「図」の文字をデザインしたロゴマークです。
バッジのデザインは扇型の窓です。
カラーはコーポレートカラーであるブルーと白の2色があり、ブルーを選びました。
このほかにもメモ帳やポストカードなどオリジナルグッズやステーショナリーが、受付をした総合案内で販売されています。
スモーブローキッチン中之島
中之島図書館の2階には、西日本初のスモーブロー専門レストラン「スモーブローキッチン中之島 smørrebrød KITCHEN nakanoshima」があります。
レストランは大人気で列ができていました。公式HPからWEB予約も出来るようです。
スモーブローとはデンマークの郷土料理で、ライ麦パンに惣菜や果物をのせたオープンサンドのことです。
大阪市中央公会堂
「大阪府立中之島図書館」の隣に建つ「大阪市中央公会堂」は、1918年(大正7年)創建されたネオルネッサンス様式の建築物で、2002年(平成14年)に国の重要文化財に指定されました。
現在、大阪市中央公会堂は貸館として利用されているので、自由に見学できるのは地下1階のみです。
月に数回行われているガイドツアーに参加すると、自由エリア以外の見学ができます。
「特別室ガイドツアー」:公会堂スタッフによるガイドツアー
地下1階の自由見学エリアは、この日とても混雑していて撮影はしませんでしたが、創建当時からの意匠や施設、椅子などが残っていて、現在も利用されています。
大阪市中央公会堂(公式HP)
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